ホノルルマラソン2018 |Day4
12月9日
朝2時起床。
ゲストハウスからスタート地点のアラモアナ公園まで徒歩で向かう。
大抵の人は、単身で参加する人が少なくツアー会社がチャーターしたバスでホテルから会場に向かいます。大会側が用意するピストンバスもあるらしいけど、ウォームアップがてら歩きたかったしこんな時間のワイキキのストリートも見てみたかった。
人が見当たらない。
もしかして、道を間違えているのか?
不安になる。
3時過ぎ。
ようやくゼッケンをつけた人たちがパラパラと歩いている。
念のため、場所をそれらの人に質問。
どうやら間違えてない。安心。
3時30分。
開催場所につく。スタート地点は、IBMビルディングの前。
今回の旅は、ウラちゃんに縁があったみたいです。
公園では、みんなストレッチをしたりして時間を過ごしている。
色んな仮装をしている人もいる中、とくに気になったのは武道の世界から飛び出してきたような5ー60歳くらいの高下駄まで履いてる。Mr.高下駄のおじさんと呼ぶことにします。
『フルマラソンですか?』
『はい。そうです。』
異様な出で立ちのMr.高下駄の周りには記念撮影を希望する人たちが集まっていた。
AM5:00
ホノルルマラソンスタート。
同じタイミングで花火が上がる。
私の緊張も解き放たれる。
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ワイキキの街中を走り抜ける。
5km付近。ホノルルシティホール。
クリスマスシーズンのこの時期、HONOLULU CITY LIGHTSというエキシビションをこのホールを中心に開催されていて、キラキラとクリスマスデコレーションが輝いていた。
https://www.hawaii.com/event/honolulu-city-lights/
AM6時30分頃。
ダイアモンドヘッドの麓。
道から見える景色の向こうには海が広がる。
青空、紫、群青色。
サンセットタイム。
美しさ。みな、写真を撮らずにはいられない。
見慣れないこの自然と光が混じり合う風景に、ランナーたちが延々と連なる。
自分が今、どこで何をしているのか。
その非日常に感動して、自然と涙ぐむ。
自然の美しさに歓喜して涙ぐむ。
沿道にはボランティアスタッフや、地域の方たちが声援を送ってくれる。
Keep going! push push push!
ハイタッチを交わす。
2.5時間を経過。
20kmを超えるころには暑ささえ感じる気温。日は完全に上にある。
そういえば、ここら辺でホノルルマラソン初のアンバサダーを見かける。
幾たびもAID STATIONで給水。
スポンサーのSATOさんによるスプレーもあります。
給水は水とゲーターレード。
日本から持ち込んだエナジー剤や持久力アップのゼリーも追加する。
道端で応援してくれる市民たち。
プレッツェルを振る舞ってくれる。
でも、プレッツェルは口がカラカラになりそう。
ごめんなさい。食べられませんでした。
30km地点。
この頃には、膝も痛みを感じるし、足の指や裏も痛い。あと12.195km。
長い道のり。葉っぱをかけるために『Keep going』と独りごちりながら走る。
身体の大きな太った人や、おじいさんおばあさんが前にいる。負けられないなぁと思う。でも、彼らとの距離は近づいたり離れたり。気力が少しずつ無くなり始めている。
両足分だとばかり思って購入していた膝のサポーター。当日使おうとしたら片足。
していない方が少しずつダメージを喰らい始め、途中で履き替える、を繰り返した。
36km。
4時間経過。
ウエイトを背負ったミリタリーの若者たちがアメリカの国旗を振りながらレイジアゲインストザマシンを爆音で鳴らしながら歩いてる。背筋がのびた彼らの立ち振る舞いや、音楽で私の気持ちにも再び気力が戻る。
残り7.195km。
『ふだんの練習は、ココからのためにあるのかもしれない。最後の一踏ん張りが出来る気力のために。』と、頭に浮かんだ。
“走り込み距離感を、把握する”
いかに自分が走れるのか。日常に練習で走る10kmを思い出す。この距離なら最後まで走れる。そう思う事ができた。
38km
↑そう思ったのも束の間、やっぱり気力が萎える。何クソ、頑張るぞ。思考はヤル気と諦めの繰り返し。足の指先も、痛くなってきた。
40km。
このペースだと6時間は切れますよ!
と沿道からの応援があり、
終盤が見え始めた時のこと。
『カツ、カツ、カツ』下駄の音?
え?まさか
横を見ると、早朝にいた高下駄のおじさんだった。
私のタイムは決して早くはないペースだったけど、高下駄のおじさんが隣にいる。
鼻緒の部分を見ると、肌が擦れて血だらけになっていた。なんで、走れるんだろうか。
このおじさんにだけは負けたくない。
負けられないじゃん!!!
残る気力を振り絞って、Finishへ向かう。
足痛いけど、もうお構い無し。
高下駄おじさん、血だらけだし!
ALMOST THERE!!!
沿道の声援が沢山飛んでくる。
感謝しかない。mahaloだ。
初フルマラソン完走。
胸にはボランティアスタッフがかけてくれた金メダルがある。
涙があふれた。