2014年のボジョレー・ヌーボー解禁日となる11月20日、神奈川県厚木市地ビール会社サンクトガーレンは、ワイン並に高いアルコール度数で、ワインのように長期熟成されたビール“麦のワイン”2種類「el Diablo 2014」と「Un angel 2014」が各7000本限定で発売。昨年は各6000本が販売された同製品は、発売日前の予約分のみで完売という大人気ぶりで、今年はさらに各1000本が追加される。

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【商品名】el Diablo 2014

el Diablo 2014
el Diablo 2014

■麦のワインについて
麦のワインは19世紀のイギリスを発祥とするれっきとしたビールの1種。寒冷で葡萄の栽培が出来なかったイギリスがフランスワインの人気に嫉妬して造ったと言われています。“ワイン”と名に付くようにビ ールでありながらワイン並みのアルコール度数を持ち、ワインのように年単位での長期熟成が可能です。当時は大麦麦芽を主原料とした“バーレイワイン(Barley Wine) ”1 種類でしたが、1980年代にアメリカで小麦麦芽を主原料にした“ウィートワイン(Wheat Wine)”が誕生しました。

両ビールともに原材料は通常ビールと同じ麦芽、ホップ、水、ビール酵母のみ。それを膨大な量を使用し、極限までアルコールを高め、通常の6倍以上の熟成期間を経て完成させます。完成までにかかるコストが並大抵ではないことから、日本で造っているメーカーはほとんどありません。「el Diablo 2014」と「Un angel 2014」を製造するサンクトガーレンでは2006年よりバーレイワインを発売。一昨年からはウィートワインも追加しました。

■古いほど価値が上がるとされるビール
サンクトガーレンの麦のワインは通常の2.5倍以上の麦芽が使用されている。さらに麦汁の濃度の高い部分だけを使っており、非常に濃厚で蜜のようにとろりとした口当たりが特徴。特にウィートワインの主 原料である小麦は大麦よりもタンパク質が多いため、液の粘度が強くなり、より“とろみ”が感じられます。ビールの苦味と香りの基になるホップの使用量はウィートワインで通常の2.7倍。バーレイワインは6倍以上を使用している。そのため、特にバーレイワインは通常のビールとは比較にならないほどの濃厚さとともに、華やかな香りと、重厚な苦味を合わせもっている。

アルコールはどちらも約10%で、通常のビールの約2倍。出荷時点で通常の6倍の熟成期間を費やしているため、すぐに飲んでもブランデーを連想させるような熟成感で、購入後に1年、2年・・・と熟成させることで、香りも味わいも驚くほど深みを増し、複雑味を帯びていくという。

通常ビールは新鮮な出来たてのもののほうが喜ばれますが麦のワインは逆。ビールファンの間では古いほど価値が高いとされます。そのため余分に購入し熟成させて、前年のものと飲み比べを楽しむかたや、結婚した年、出産の記念に購入し、節目の年に楽しむというかたもいるとのこと。

■本当の生きているビール
サンクトガーレンの麦のワインはシャンパンと同じ瓶内2次発酵製法で仕上げられている。発酵の終了したビールから古いビール酵母を取り除き、新しいビール酵母と糖分(麦汁)を添加して1本1本手作業で密封。栓を開ける瞬間まで発酵が続く、通常のビールと一線を画す「本当の生きているビール」。

ボジョレーヌーボーもいいですが、少し思考変えて、この悪魔と天使のビールを試してみるのも一興ですね。

el Diablo 2014
el Diablo 2014

【商品名】el Diablo 2014 エル ディアブロ 2014(ディアブロはスペイン語で「悪魔」の意)
【スタイル】 Barley Wine バーレイワイン(大麦のワイン)
【主原料】大麦麦芽
【容量】300ml
【アルコール度数】10%
【希望小売価格】1000 円(税別)
【専用ページ】www.sanktgallenbrewery.com/beers/el-diablo/

KOMUGI2014
【商品名】 Unangel2014 ウン アンヘル 2014(アンヘルはスペイン語で「天使」の意)
【スタイル】 Wheat Wine ウィートワイン(小麦のワイン)
【主原料】小麦麦芽
【内容量】300ml
【アルコール度数】10%
【専用ページ】www.sanktgallenbrewery.com/beers/wheat-wine/
【希望小売価格】1000 円(税別)