誰とも会話せず、誰にも会わずに淡々と作業に夢中になりたい。部屋で静かに鳴りあうホワイトノイズに混じり合うミニマルミュージックとアンビエントミュージックの音波にひたすらに浸って世界から隔絶されたような気持ちになり、私は一人で宙を漂う。南側の窓から柔らかい日差しが差し込む午前9:00から12:00までに聴くそんな音たち。
01. Yulquen by Autechre
オウテカの93年リリースのデビューアルバム[ Incunabula ]より。変化がわずかで渋く、ダークな宇宙空間。
02. Rachel’s Song by Vangelis
映画ブレードランナーのオリジナルサウンドトラックから。このサントラは全編を通して聴くと遠い世界へ浸れる。
03. Window by The Album Leaf
天気の良い長閑な昼下がりに、窓からそっと入ってくる風のような柔らかい曲。
04. Something blue by Hiroshi Yoshimura
一つ一つの音の粒子が身体に染み入るような水のような電子音。チープなシンセだけどミルクのように柔らかくて優しい音色。
05. Epilogue by Yutaka Hirose
鍾乳洞の先から水の粒が滴り落ち、その音が洞窟の中で延々と響いている。とても高い場所にはかすかに日の光が差し込んでいるような浮世とは隔離された世界の音。この時代の日本の環境音楽家達の曲群は掘り出せばキリがないけど、彼らの作り出した音に導かれるマインドワールドは延々とトリップできる夢路。
06. How Distant Your Heart by Robin Guthrie & Harold Budd
月の明かりに照らされた湖面には靄がたちあがっている。目をこらすと、岩には誰かがそこにいて何かが弦楽器を奏でているようだ。その音を聴くと身体が自然に水の中へ引き寄せられる、童話の世界のような曲。
07. It’s too Hot to Sleep by Virginia Astley
草むらをかき分けた先に何がある?フルート、ピアノ、鳥のなき声。今は、昼なのか。それとも夜なのか?
08. Je Te Veux by Jessye Norman
草むらをかき分けてたどり着いた先は、黄色や白色の花たちが咲き蝶々が舞う田園だった。むせるように生命力にあふれている花のかおり、さっきまでかかっていた頭の中の靄はどこかへ消え去った。
09. Dissolving Clouds by Biosphere
雲の隙間から柔らかくて淡い青色や黄色、赤い色の光が差し込んできて、細胞が幸せな気持ちになっている。
10. Enthusiasm by Laraaji
祈りのような歌。パイプオルガンの音色に乗り天との交信を行う。
11. Lost in the Humming Air by Brian Eno and Harold Budd
漂う。プカプカと漂う。夢を漂う。海の上を漂う。空気の中を漂う。私の隣をすり抜けて。
12. Boy 1904 by Jónsi & Alex
天国に来た。
13. Church by Alex Somers
綿に乗って宙を泳いでいる。あたりには何もない。
14. The Harbinger by Julianna Barwick
精神と時の部屋にいるよう。
15. あなたがいるなら by Cornelius
2017年フジロックフェスティバルでのLiveは実に素晴らしかった。