最近オープンするコーヒーショップは、サードウェーブ系の流れを汲むお店が多いので、コーヒー豆が本来持つ果実としての良さを伝えようとする味のコーヒーが多い。写真映えのする店構えや、店内の内装、そしてメニューの構成などとても気が遣われていて訪れる側としてとても興味深いのです。

ただ、場合によっては「ただ酸っぱいだけじゃない?」とか、「お湯入れすぎじゃない?」と言ったお店も中にはあって、そんな時に昔から飲み馴染みのあるしっかりとした苦味があってコクの深いコーヒーが欲しくなるのです。

初夏のこの時期はオープンテラス席を利用したくなる。

広尾駅の地下鉄口に併設している Café des Près(カフェ・デ・プレ)はパリにあるカフェの趣を感じさせる、初夏のこの時期はオープンテラス席を利用したくなる開放感のあるお店です。1993年に創業、2006年に一度は閉店されましたが、2017の4月24日にふたたびオープン。

広尾という街の土地柄か、落ち着いた雰囲気が魅力的です。

訪れた日は、30度近い気温だったので、迷わずアイスコーヒーをチョイスいたしました。

Café Glacé/アイスコーヒー:¥650

コクのあるしっかりとローストされた深煎りのアイスコーヒーでした。この日の前日に、あるコーヒーショップで飲んだコーヒーが本当に「酸っぱい、薄い」な残念な味だったので、この味わい深さに感激でした。

Tokyo Coffe Guide 2020の36では、同じ広尾のSAWAMURAさんを広尾のベストカフェ的に紹介しておりますが、 Café des Prèsもお気に入りに仲間入りです。どちらも文目か杜若。です。

ホームページにこんな文章が記載されていました。

19世紀から20世紀前半のパリ。
そこには、芸術、哲学、文化、政治、経済…
あらゆる思想と創造的なものがありました。
そのパリの文化を生んだ場所がCaféでした。

ひとりで居て、孤独でない空間。
価値観を共有する人々が憩い、語り合い、
新しい何かを見つける場所。
「カフェ・デ・プレ」は、そんな古き良き時代の
パリの空気を感じられるCafé。
コーヒー片手に寛ぎのひとときをお過ごしください。

https://www.hiramatsurestaurant.jp/despres/about/

携帯電話が普及した今は「趣味は人間観察です」という人が少なくなりましたが、20年くらい前はたくさんいたと思います。このCafé des Prèsはそのような人たちが集いそうな風情が残っている。そんな気がするカフェでした。